メートル法公布記念日

前に、世界水の日について書きましたが
今日4月11日はメートル法公布記念日だそうです。

これは数学の教師として書かないわけにはいかないなと。

日本では、本来尺貫法という単位系が使われていて
長さの単位には尺、質量の単位には貫を用いていました。

1尺=約30.3cm 1寸=約3.03cmですので
3尺3寸の長さが1mとほぼ同じになりますね。

日本ではしっかりこの単位系が根付いていたわけです。

そんな中、1875年、国際的なメートル条約で
世界の単位をメートル法に統一しましょうということになりました。
フランスは各国に条約加盟を促し、最初は見合わせた日本も
1885年にはこの条約加盟し、翌年公布しています。
それからは尺貫法とメートル法の併用が続いていました。

しかし、そんな中途半端な状態では
結局、元々根付いている尺貫法からメートル法に切り替えるひとは
そんなに多くないのは想像しやすいかと思います。
たとえばですが、急に「ヤードポンド法」使ってねと言われたぐらいじゃ
私たちも使い慣れていない単位を積極的に使い始めませんよね。

これじゃいかんということで
1921年4月11日に
世界的な単位系のメートルをしっかり使ってねと
メートル法が公布されました。

そのため、本日が記念日となるわけです。

さて、しかし、このメートルですが
メートル法が公布されたからすぐみんな切り替え
使い始めたかというとそうではありませんでした。

反対運動が起き、施行が無期延期となってしまいました。

改めて1951年にメートル法が制定され、
1959年から完全実施、
取引や証明において尺貫法を土地や建物でも用いてはいけないとなったのが
1966年のことです。

メートル法を厳格に守らせようと尺貫法を使った大工が逮捕されたり
それに反発し、永六輔さんが尺貫法復権運動を行ったりと
まぁなかなか大変だったようです。

そんなメートルも今ではすっかり日本に根付いたわけです。

単位系を変えるというのは、物事の価値観を変えるに近しいことで
それにはとても大きな苦労と根気が必要なことですね。

色々と考えさせられる内容でした。

では、また。

 

 

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