ICTを使った教育について学びに

4月29日(土)
「iTeachersカンファレンス2018〜ICT教育からの脱却〜」
という講演会とその後のトークセッションがあり
ICTについての勉強をしに参加してきました。

ちなみに、ICTとは
Information and Communication Technology
(インフォメーション アンド コミュニケーション テクノロジー)
の略語で、日本では「情報通信技術」や「情報伝達技術」などと訳されています。

とても有意義な会で、
昨年も参加しましたが今年も参加して得るものが沢山あるものでした。

まず、「ICT教育からの脱却?ICTにネガティブなの?」と捉えられる
可能性もあるタイトルですが

これは、大阪大学の岩居 弘樹 先生がおっしゃってましたが
「ICT教育」として構えるような時期から
そろそろ次のステージに進みましょうということでした。
お言葉をお借りすると
「テレビを使いこなす、冷蔵庫を使いこなすなんて言わないでしょ」と。
そろそろICTを使いこなすというような
構えたものとして扱うのではなく
身近に普通にあるものとして接するべきだと。

なるほど、と思いました。

スマホやタブレットなどが当たり前のように身近にあり
そういったものが教育界にもどんどん入ってきている中、
大人たちはそれを「使いこなせるのか」と捉えがちです。

しかし、
子どもたちは身構えることなく
新しく手に入れた道具をどんどん使っていきます。

これがICTを推進していく上での壁だと聖徳学園の品田先生はおっしゃっていました。

大人にとってはスマホやタブレットなどは
遊びのツールとなりがちで
学びのツールとしての経験が足りていない。
それに対して、
子どもは学びのツールとしてちゃんと
使いこなせる。

その感覚の差が、
ICT教育という言葉から脱却できず
ICT機器を使いこなせるのか使いこなせないのか
そういう議論のままになるわけですね。

とはいえ、
子どもがちゃんと使いこなし、メリハリを持てているのかといえば
そうではないかなぁとも思います。
やはりICT関係はどんどん普及が進んでいくでしょうが
使い方の交通整理が今後しっかりできるようになれば
大人側ももっと推進する方向に傾くでしょう。

例えば、勉強しているのかと思えば
LINEなどSNSをこそこそやっていたりすると
どうしても遊びの側面が見えてしまいますよね。

ですので
あんしんフィルター for au
上記リンク先にあるようなフィルター機能も必要なのかと思います。

講演の中でプログラミング教育について
情報通信総合研究所の平井 総一郎 先生からお話がありました。

話の中で出てきたのはアンプラグド方式のやり方です。
これは要するにパソコンやタブレットなどを使わずに、
プログラミング教育をするものです。

ただし、これは完結型のものではなく
プログラミング教育を学ぶ上での導入としてだと思います。
とはいえ、
身近なものでも十分できるんですよと
いくつか方法をご提示いただき
参加者でやってみたりもしました。

たとえば、
2人1組になり、1人がハンカチ目の前に出して置きます。
その人は自分がロボットになったつもりで
もう1人が指示する通りに動くというルールです。
指示する側がちゃんとわかりやすく伝えないとロボットは動かない。
そこらへんを簡単に学べる方法ですね。

このやり方でやってはいけないのが
忖度をすることです。
最近よく目にする言葉ですね。

AIのいいところは忖度がないところと
同志社中学校・高等学校の反田 任 先生もおっしゃっていました。

こうしてほしいのだろうとロボット役がしてしまったら
意味がないわけですね。

例えば英語の指導をするとしても
人間の先生なら少し違くても「まぁいいかな」で進むものも
AIならちゃんとした発音じゃないと聞き取ってくれないわけです。
これには一長一短あるでしょうが
AIの良さは自分のペースで学べることと、
恥ずかしがらずに何度でもチャレンジしていけることとありました。

では、ひとだからこそ出来ることは何だろう。

これに関しては私自身いろいろ考えはありますが
凝り固まらず、常に考えを更新していくぐらいの姿勢でいなければ
今の時代に乗り遅れてしまうのでしょう。

佐賀市立大和中学校の中村 純一 先生が
ICTでの教育について
「使うのが目的ではない。
それを使って何をするのか、である。
答えは1つではなく、それぞれの環境に合わせて
目の前の子どもたちのためになくてはならない」
とおっしゃっていました。

これはICTに限らずでしょうが
目的と方法については見失わないように
指導する側がいなくてはならない。
本当にその通りだと思います。

最後にトークセッションがあり
参加者から事前に送られてきた質問から
いくつか選ばれたものについて回答があったわけですが
一番興味深かったのは回答よりも
公立私立の先生方から出された質問には
現場での苦労がとてもにじみ出ていたことです。

ICT教育だなんだと世間では騒がれていても
いまだに校内での普及はさまざまなしがらみなどで
なかなか進まない。

そういう状況下でどうにかヒントを得ようと
参加されたり、質問を出したり
そういう公教育の現場の様子がよくわかりました。

そういったことに対しての回答として
「今あるものをまずは使い倒すしかない。
工夫し、使い切っているといえるほど
使っているのか。
そこから必要なものも見えてくる」
「普段やっていることを発想転換して
学びにつなげる」
「準備が完了することなんてないから
70%ぐらいの準備でもう走り出した方がいい。
使いながら軌道修正した方が早い」
「現場の困り感に対してアンテナを張る。
そういうものにタブレットなどがあれば
どう対応できるのかを見せていく」
「わからないならわからないで
それを生徒と共有し、ともに解決していけばいい。
まずは教師がチャレンジしているのか」
「先生たちに普及しないならそれは無理にしなくていい。
ただし、生徒たちが使うことの邪魔をしてはいけない」
などなどありました。

また、ICTを使い指導する上で教師の資質は何かという問いには
「わからないといえること。
子供のアイデアにそれ面白いねといえること。
失敗を楽しむ。
子どもたちと楽しむ」
というご返答がありました。

このあたりができないひとというのが
ICTなどを推進する上での壁となるひとなのでしょう。
自分自身そうならないようにしなければと思います。

ノートへのメモ書きから書き起こしているので
語られた内容とずれがあるかもしれません。
ご容赦ください。

こういうお話などは、
様々な方面へのヒントになるなあとしみじみ思います。

また来年もあれば、
ぜひ参加してきたいと思っています。

 

 

 

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