英検「従来型」が不合格に

まずは以下の朝日デジタルの記事をご覧ください。

センター後継、英検「従来型」は不合格 「新型」は認定

大学入学共通テストにおいて英語で使われるとされている民間試験に
従来の英検の方式は不合格となったようです。

1回の試験で英語の4技能を測定する、という方針のようで
従来の英検では3級以上で別日に2次試験としてスピーキングテストが
実施されていましたが、そちらではダメだったようです。

今後も従来型の英検は継続するようですが
新型として合格した英検では同日にスピーキングも含めた試験を課し
そのため準会場実施はなく、費用も高くなるようです。

KS学院では英検・漢検・数検で準会場実施をしているので
こちらに関しては慎重に今後の対応を検討しないといけない内容です。

高校受験では従来型の英検がこのまま活用されていくようでしたら
中3までは従来型への斡旋、高1からは新型の斡旋となりそうです。

色々と変動も大きく、
それに教育者や受験生が振り回されるだけに終始することのないよう
ぜひ適切なかたちで決定がなされることを願います。

新型の英検も含め、他の合格した4技能を測る民間試験
ケンブリッジ英語検定、GTEC、IELTS、TEAP、
TEAP CBT、TOEFL iBT、TOEICなど
これらが活用される上での課題としては
複数回この民間試験を受検できるとした場合には
裕福な家庭は最大限利用できたとしても
そこまで費用をかけられないご家庭では
受けられても1〜2回となる可能性があります。

受検料は5000円台から2万円を越えるものまであるようです。

経済的に困難な受験生には費用軽減などの
措置が検討されているようですが
どこまで費用と受験機会に対して公平性を保てるのか
まだはっきりしない部分があります。

また、地域格差というのもかなりあるでしょう。

都市圏に住んでいれば受検できる環境が、
ある程度の移動によって確保でき
費用面の問題はあるにしても、
受けようと思えば受けに行けるでしょう。

地方、特に交通の不便なところに住んでいる受験生は
受けに行くこと自体がとても困難な場合があります。

様々な民間試験が活用されるのだとすれば
そういう受験機会の確保を少しでもしやすいようにという
側面もあるでしょう。

しかし、それでも実施回数などで
どこまで都市圏と地方で公平性を保てるのか
では、その公平性を保つための負担は
民間業者が受けるのか、結局国民の負担となるのか。
そもそも民間業者を使った4技能試験というのは必要なのか。
色々と皆さんも思うところがあるかと思います。

しかし、今の高校教育のなかでは
どうしても受験で使うのか、そうではないのか
というところでその教科や内容に対して非常にシビアなところがあります。

やはり試験制度が変わらなければ、
本気で動き出さない腰の重さがこういう状況を作ってもいるのでしょう。

本来の教育としては
試験を難化させることよりも
入ってからの教育でしっかり鍛え上げることが重要です。

しかし、その教育レベルを上げるためには
試験を難化させなければいけない、
そういうジレンマが現在の高校教育では直面している問題なのでしょう。

毎日新聞の記事で
東大、公平性担保に懸念 民間試験使わず 他大学に影響も
とあるように、
東大は英語の民間試験を合否の判定で使わない方針を示しています。

公平性の確保に問題があるとしたため、
合否の判定には使わず、
入学後の能力の伸びを調べるデータとして活用をするとしています。

同様に、懸念を示している国立大学はいくつかあるようで
非常に大きな影響力をもつ東大に同調していく可能性もあります。

また、東大も公平性の確保が確認できれば
逆に合否判定への活用をする可能性もあるでしょう。

このように、まだまだ英語の民間試験活用については
予断を許さない状況にあります。

KS学院としては、しっかり情報にアンテナを張り
正しい情報のもとに、適切な対応をしていきたいと思います。

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